良書の会『生涯投資家』
【課題本】『生涯投資家』村上世彰(文藝春秋刊)
【日時】2017年10月29日(土曜)10時~
【会場】タリーズコーヒー アクロスプラザ長岡美沢店
【進行】丸山結香さん(WWA理事長)
良書の会では初の会場となったタリーズコーヒー。各自で好みの飲み物(食べ物)を注文して着席。
参加者は9名。最初に、それぞれの「自己紹介」と進行役の丸山理事長からの問い「なぜこの時期に村上世彰氏はこの本を出したか」について語って、良書の会はスタートしました。
今回は、コーポレート・ガバナンス(企業統治)についても参加者で語りあいました。コーポレート・ガバナンスとは、言い換えれば、「会社はだれのもの?」です。そして著者が2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕される間際に語って注目された「儲けるって悪いことですか?」についても、最後にそれぞれの考えを話しました。
参加者の発言の一部をご紹介します。
・経営者の立場として読んだ。
・第一章「なんのための上場か」の著者の主張が理解できる。耳が痛い。
・近頃は、東芝問題など企業不祥事が多く、コーポレート・ガバナンス(企業統治)について警鐘を鳴らす本。
・ニッポン放送株をめぐる事件のときには、マスコミ報道の印象から悪いイメージしかなかったが、この本で印象が全く変わった。村上世彰氏は理念のある人。
・本から、経済成長しない日本社会に対する著者の苛立ちが感じられた。プレイヤーとして日本社会に戻りたいのかも。
・資本(お金)も人も、常に動き続けることが企業と経済の成長には重要だと、自分の会社の取組みからも感じる。
・日本の人口減少問題への提起。
・文章が上手くて読みやすい。自叙伝としても面白い本。
前回の課題図書「日本企業は何で食っていくのか」に続き、日本の経済社会を俯瞰してみる本でした。普段、近視眼的な生活ばかり送っているので、こうやって遠くから社会を眺めると少しお利口になった気がします。開催日までに読む(できるだけ)という自分に負荷をかけないと読まない、自分の好みでは選択しない課題本ばかりです。
参加前に本を読むという負荷がある良書の会ですが、参加者から「面白かったので次回も参加します」との表明が、終わった直後から聞こえてきます。
余談ですが、みなさんの本の読み方も参考になります。いつもながら、本にばっちり書き込みのある丸山理事長。Kさんは透明な付箋を利用。なるほど!文字が透けて読めるから便利ですね。そして今回、ついに!電子書籍(タブレット端末)持参の方が登場。確かに本が増えて困る悩みから解放されそうです。
課題図書『生涯投資家』について(Amazonより)
「お金儲けは悪いことですか?」
2006年6月、ニッポン放送株をめぐるインサイダー取引を行った容疑で逮捕され、のちに執行猶予つき有罪判決を受けた村上ファンドの村上世彰氏。逮捕間際に言ったその言葉が注目された。以後、表舞台から姿を消したが近年株式取引の世界に復帰。
今回の課題図書『生涯投資家』は、その村上氏の最初にして最後の著書であり、半生記であり、投資理念の解説書でもある。灘高―東大法―通産省を歩んだエリートがなぜ投資の世界に飛び込み、いったい何を試みたのか。ニッポン放送、阪神鉄道、東京スタイルなどへの投資において、いったい何があったのか。その投資哲学、日本企業、日本の経営者たちへの見方はどうなのか。そして今後何をしようとしているのか。
村上ファンドを率いて日本に旋風を巻き起こした著者が、その実像と思いを自ら書き上げた話題作。