| 「思いどおりにいかない妊娠、出産、育児」
私は23年間、産婦人科の勤務医として仕事をする中で、女性ホルモンの変化に翻弄される女性の心と身体に向き合ってきました。妊娠、出産、育児というのは、女性にとって人生最大の事業のひとつですよね。でも、私たち女性が自分自身の子宮で生命を育み、10ヶ月間胎児を育てるというのに、いずれも自分の思い通りにならない予測不可能な経過をたどるというのが特徴です。
そのため、子どもを産んで母親になってから、「こんなはずではなかった」と悩んでいる人もいるかもしれませんね。でも、そんなふうに悩んでいるのは、あなただけではありません。
「母性は本能じゃない」
“母親=母性を持っているもの”と一般的には思われていると思いますが、母性とは本能でしょうか?いいえ、母性的愛情や行動というものは、子どもを産みさえすれば誰でもが自然に獲得し、発揮出来るものではなく、長い時間と周囲の協力があって初めて習得可能な極めて高度な作業なのです。
ですから、育児という、とても大きな意味のあることをしているはずなのに、「子どもが思うように育ってくれない」、「夫が手伝ってくれない」、「自分自身の時間がない」など、不安や不満を持つようなことがあっても、まったく不思議はありません。
「自分を責めず、人と比較しないで」
育児に正解はありませんし、完璧な親なんて存在しません。母親であるあなた自身、あるいは周囲の期待通りに育児ができなくても、自分を責めない、人と比較しない。子どもと一緒に成長しようという気持ちが大切です。
お母さんの明るい笑顔こそが、子どもにとっては何より心と身体の栄養になり、本来の生きる力を引き出すのです。
このコーナーで、皆さんの元気の素を刺激することができれば幸いです。
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