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佐々木綾子先生のヘルシートーク  第3回
 

* あなたの性は健康ですか

あなたは性において健康ですか?心の面でも日々の生きがいになり、あなたを力づけ支えてくれるような異性関係を持っていますか?ただし、今回は心の問題ではなく身体の健康として性の問題を取り上げてみたいと思います。毎年12月1日は世界エイズデーです。最近の日本では以前ほど関心が向けられていませんが、毎年千人を超える新たな感染者と患者が報告され、先進国中で唯一感染者が増え続けています。

また日本の特徴は「いきなりエイズ」といって肺炎などの「日和見感染症」を発症して医療機関を受診して初めて感染が分かること。つまり、感染から発病までの約十年間は感染に気づかず、次々にパートナーに性行為で感染させていることになります。感染者の年齢も最近は十代、二十代と若年化し、都市部から地方都市へと拡大しています。

* 拡大する無防備な性感染症ネットワーク

この背景には、若い人達の性行動の変化や性感染症や望まない妊娠を防ぐためのコンドーム使用が徹底されていないことがあります。平成17年度新潟県調査では、高校生の性交経験率は3年生女子で43%、3年生男子で33%と女子が男子より高く、これは全国平均と同じです。

また、クラミジア性感染症や淋菌感染症、尖圭コンジロームなど、不妊症や子宮癌など重大な後遺症を残す危険のある性感染症にかかるケースも増えています。性感染症では、最も多いクラジミア感染症は慢性化して骨盤腹膜炎を合併し、卵管閉塞で不妊症になることがあります。また尖圭コンジロームは子宮頚癌の発がん因子とされており、若年者の子宮癌は増加してきています。

* 主体的な性との関わりを

女性にとっても男性にとっても、性の問題は生涯にわたって避けて通ることができない重要な課題です。現在は健康ブームですが、「性の健康」をもっと重視し、性感染症や望まない妊娠を避けるための正確な知識が必要です。そして、女性が主体的に避妊ができ、かつ安全な経口避妊薬・ピルをもっと評価し、活用する事が重要ではないでしょうか。

「できちゃった婚」が珍しくない現在、結婚して出産しても親になりきれず、簡単に離婚してしまう人達が多くなっています。パートナーと相談して、本当に子どもが欲しいときに計画的に妊娠し、ゆとりを持って子育てを楽しむことができれば、児童虐待も減少するはずです。

また、日本では性の話題をあからさまに語ることがまだまだタブー視されていますが、真の男女平等社会を実現し、女性がせっかく身につけた高い教育を社会貢献に結びつけるには、「男性任せではない、性に対する主体的な姿勢」を育む教育が不可欠です。

女性が自分自身と男性の性のしくみを知り、産婦人科をかかりつけ医として活用することで主体的に避妊を実践し、性感染症の予防と母性を育むことができればもっと幸せになれるのではないでしょうか。




佐々木綾子先生
村上地域振興局 健康福祉部 医監/村上保健所長

小千谷市出身。産婦人科の勤務医として23年間、仕事をした後、村上保健所長として地域の公衆衛生活動に携わる。また、自身も3人の子どもを育てた母親でもある。

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