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佐々木綾子先生のヘルシートーク  第3回
 

* 経口避妊薬・ピルを知っていますか?

あなたはどんな避妊をしていますか?望まない妊娠のために人工妊娠中絶を受ける人が毎年30万人もいる背景には、日本人の90%以上が利用しているコンドームの間違った使用法があります。それに比べて高い避妊効果と安全性を持つ経口避妊薬(ピル)は卵胞ホルモンと黄体ホルモンの合剤で、1960年に米国で承認されて以降、改良を重ね、現在の低容量ピルが誕生するにいたりました。排卵抑制だけでなく子宮内膜などにも影響を与えて2重、3重のメカニズムで避妊効果をよりいっそう確実なものにしています。
 

* 副効用はあれど、副作用の心配はなし

ピルと言うと、体重増加や癌のリスクが増えるのではといった副作用を心配する人がいますが、その必要はありません。むしろ生理が順調になり、軽くなるのに加え、最近では子宮内膜症の治療効果も確認されています。何より、コンドームが男性に依存するのに対して、女性が主体的に避妊できる長所があります。乳がんや子宮頚癌、子宮筋腫などの人、肝障害のある人、授乳中のお母さんなど一部に服用できない人もいますが、服用を中止すれば半年以内に月経周期が再開し、妊娠も可能です。毎月の薬代は2,500円から3,000円。服用するためには産婦人科を受診し診察と血液検査が必要ですが、かかりつけ医として産婦人科を利用し、生涯にわたって健康管理をしていく習慣がこれからは必要ではないでしょうか。
 

* 健康な性のために賢い使い分けを

高い避妊効果を持つピルですが、あくまでも避妊が目的であり、性感染症を防ぐものではありません。日本ではHIV感染者とエイズ患者が急増していますが、その背景には性器クラミジア感染症や淋病の蔓延があります。自覚症状のないまま感染を拡げている性感染症から自分を守るためにはコンドームが不可欠です。避妊のためのピルと、性感染症予防のコンドームをしっかり分けて理解し、使い分けましょう。
 

* 少子化社会とピル

熊本県に設置された「赤ちゃんポスト」に3人目の乳児が置かれていたとの報道でも分かるように、追い込まれ苦しんでいる母親たちは少なくありません。
県内の公立高校で、女子生徒が校内のトイレで出産し、赤ちゃんは死亡するという悲惨な事件もありました。誰にも相談できずに、一人で悩んでいたのでしょうか?本当に子どもが欲しいときに男女で計画して妊娠し親になり、生まれた子どもを心から愛し、子育てを楽しむ。そんな社会をつくるために、ピルにもっと関心を持ち、性における健康を見直していただきたいと思います。

 




佐々木綾子先生
村上地域振興局 健康福祉部 医監/村上保健所長

小千谷市出身。産婦人科の勤務医として23年間、仕事をした後、村上保健所長として地域の公衆衛生活動に携わる。また、自身も3人の子どもを育てた母親でもある。

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