| * 女は強し、されど母は弱し?
昔から「女は弱し、されど母は強し」と言われてきました。これは、英国の有名な劇作家シェイクスピアの言葉で、弱い女も子を持って母親になると、子育てへの責任感と母性愛に目覚め、どんな困難にも耐えていく強さを発揮するという意味です。
しかし、現実はどうでしょう。少子化の中で育児不安に悩み、我が子を虐待してしまう母親、校内出産をして子どもを死なせてしまった女子高生。日本が経済大国として発展していく中で、女性も男性並みの高学歴と職業を獲得し、強くなったにもかかわらず、母であることがたいへん困難になってしまいました。戦前の農村、漁村社会では、女性の社会的・経済的地位は低かったものの、母性はすべての女性の文化の中心であり源であったはずです。
* 働く女性と新たな母性
私たちは昔の村社会に戻ることは出来ないし、希望してもいませんが、政府が国を挙げて少子化対策に取り組みながら効果がない現実を目の前にして、働く女性として新たな母性の復活を目指す時が来ているのではないでしょうか。
私たちが目指す母性は、母と子が密着し孤立した世界ではなく、父性と共に子どもの成長を見守り、最終的には真に独り立ちさせるための子別れを前提とした理性的行動であるべきです。
また、子育ては職業生活においても人間としての成長をうながし、幸せな人生を実感できる重要な要素ではありますが、「女性は子どもを持って一人前」といった女性蔑視や母性礼賛社会への回帰は私たちの目指すところではありません。加えて現在の長寿社会では、母性が生活の中心である時間は人生の中で短時間に過ぎません。
* 自立のためにこそワーク・ライフ・バランスが大切
女性が母性を身につけ発揮するためには、パートナーである男性との関わりが不可欠です。戦後、男は弱くなったといいますが、父性については論議される余地がないほどに、日本の男性は子育てにほとんど関わってきませんでした。
男並みに働く事が女性の自立のために不可欠であった時代から、家庭生活、職業、地域活動、自己啓発を年齢や生活に合わせて見直していく、ワーク・ライフ・バランスが注目されています。男らしさに縛られて、弱音を吐くこともできず悩んでいる男性にも目を向け、手を差し伸べて、男女が共にいきいきと生活し、働く事ができる社会を目指して活動を続けていきましょう。
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