働いている親は仕事と家庭の両立に悩んだり、子どもとの関係やコミュニケーションに不安を抱きがちです。
また、男女ともに働く環境下では、父親・母親がともに子育てに関わっていく意識向上が不可欠です。
三条市における第2次男女共同参画推進プランに基づき、子育て環境の充実をはかるため、働く親(性別不問)を対象に、
子どもとのコミュニケーションをテーマにしたワークショップ型の講座を28年度から委託事業として実施させて頂きました。

そのなかでも、昨年・一昨年と開催した「思春期編」の参加者の声を通し、思春期の子どもを育てている親は幼児期に比べ、
悩みを共有したり、相談する場が少ないという社会背景があることを感じました。

そこで、今年度も、主たる目的である「子育て環境の充実」に加え、「三条市で働く勤労者の両立支援」の意図も込め、講座を継続開催いたしました。

講座内容は
第一部:思春期とは?
第二部:思春期の子どもとの距離感
第三部:子どものやる気を引き出すコーチング
の3部から構成され、参加者同士の話し合いやロールプレイングなど、座学よりも体験重視の講習となりました。

まず第一部では、思春期がどのような時期であるか説明がありました。
思春期は心理学的には「空白の時期」と呼ばれ、それまで物事の判断基準としていた親の価値観を全否定して、自分なりの価値観を確立していく時期との説明がありました。

また、身体の成長に心の成長が追い付かなかったり、友人関係や学業の問題なども影響し、親のことなど構っていられない、そんな時期だということでした。
また、子どもによってエネルギーの発散方法が異なるため、賑やかに見える子どももいれば、一人でじっくり考えこんで見える子どもなど、思春期の表現方法も様々であるとのことです。

このような「一見わかりにくい」思春期の子どもに対して、親はどのように接すれば良いのか学ぶため、第二部では、思春期の子どもとの適度な距離感を理解するため、参加者同士でペアになり、3種類のコミュニケーションパターンについてロールプレイングを行いました。

1:対立モード:親が子どもの行動に「それはいけない」「こうしなくてはならない」と口を出し、行く手を阻み、指示を出す。
2:心配モード:「それで本当に大丈夫なの?」「お母さんはあなたのことが心配なの」と、常に子どもの背後にくっついている。
3:見守りモード:親はどんと構えて動かず、子どを信じて見守っている。

その結果、1の「対立モード」では子どもは親から逃げ出したい気気持ちになり、2の「心配モード」では親が疎ましくて嫌になり、3の「見守りモード」が一番安心できるということを、参加者自身が実感することができました。

その後、講師から子育ての最終目的は「子どもの幸せな自立」であり、そのために親が子どものコーチになろうという話があり、参加者が3人でグループになり、「理想のコーチ」について意見交換を行いました。
(出された意見の一例)
・ダメ出しされて奮起する場合もあるが、逆にやる気をなくす場合もある。特性を見てダメ出しする、しないを判断する。
・いい点は褒め、悪い点は指摘する。悪い点をいう時に人格否定せずダメな行動、ダメな理由を教える。
・信頼関係がないと、褒められても叱られても受け入れられない。
・感情的にならず、事実を伝えてくれる。
・子どもが一人で登校できなかった時、(先生が)玄関で待っていてくれた。(涙)=黙って見守ってくれる。

その後、「テスト前なのに勉強をしない中学生の男子に対して、親が口出しをせずに、どうやって自分から計画的に勉強するようにさせられるか」という設定で、参加者同士で話し合いを行いました。
最初に「いつもの反応」を振り返ってもらったところ、「このままでどうするの?」と詰問したり、「このままでは良いことがない」と脅したり、「お父さんはね」と自分の経験を語ったり、何もしないで放置をするといった意見があり、親自身も対応に困っていることが窺えました。

その後、これまで学んだことをもとに、どのような対応をしたら良いか意見を出し合ってもらったところ、「本人がどうしたいかを聞く」「一緒に考える」「現状を把握する」「対応策を考える」「親の希望を伝える」「見守る」などの意見が出されました。

その後、第三部で、講師から思春期の子どもとのコーチングのポイントについて説明がありました。
・信じて見守る~プラスのメッセージを送ろう:
子どもに親は「いつだってサポートするよ」と伝え、子どもの好きなことや好きなことに興味と共感を示し、普段からコミュニケーションを大切にしよう。
・信頼関係を作る~「いざ」というとき話せる関係性:
「親の聞きたいこと」ではなく、たとえ1日5分であっても「子どもの話したいこと」をちゃんと聴くことが「いざ」というときに話してくれる信頼関係に繋がる。
・任せる~子どもの問題は子どもの問題:
子どもには自分で自分の行動の結果を受けとめさせ、対応力を身に付け、「自分の人生を自分で切り開く」力を育むこと。それが「自信」や「やる気」「問題解決力」に繋がる。
・限界設定~「枠組み」を提示する:
親として譲れないルールなど「限界設定(枠組み)」を子どもも交えて決め、そのことで子どもを守ると同時に親もルールを守ることが大事である。

そして、最後に「自分がまずやってみようと思うこと」を考え、閉会となりました。